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! ( @halno ) Photos

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机の脇でカサコソと気配がした。 「よう相棒。景気はどうだい?」ヤツが僕に尋ねた。 * 『頭文字G』の登場である。 * ※頭文字G(イニシャルG)…黒い走り屋。 「黒っ!キモっ、しかもはえー!マジキモい!」の異名を持つ。 種としての最速を目指すあまり衛生状態に関心を失い、嫌悪感を与えるフォルムとして完成してしまったが、空気抵抗の少ないデザイン性の高いボディを誇る。とにかく速い。女性は真剣に嫌がる。僕だって嫌だよ。 ーーー 《G》が 現 れ た 。 ひどく嫌悪感を催した僕は 「殺虫スプレーかせぇぇぇ!!」 オフィス中に大警報を鳴らし 「人は、流れに乗ればいい…だから私は、君 を 殺 す……!」引き金を引いた。 その刹那、ヤツがぴたりと止まった。背後を振り返る。 G「どうした若いの?見せてくれるんじゃないのか、お前の「走り」ってもんを」 僕「吐いた唾ぁ飲めねーぞ?ああ」 それが、僕らの友情の始まりだった。 奴は部屋中を駆け抜けた。それを追って僕も走る。役立たずの部下たちは僕たちの音速の走りに呆然と腰を抜かし、悲鳴をあげるばかり。 場内割れんばかりの大歓声に包まれながら僕たちの闘いが始まった。 「さすがに昆虫最速…。」 奴の速さの秘訣はなんと言ってもあのボディにある。 あの美しく、洗礼された種としての帰結。 あの先鋭的なボディライン。 「おもしれぇ!! 相手にとって不足はねぇ! 見せてやっぜぇ!トランスフォーーム!」 僕の体が瞬時に変形し「インセクトモード」にチェンジする。 空気抵抗を極限まで抑え腰を痛めそうな体勢(四つん這い)で奴の後を追う。 (追いつく!その背中ぁ、ぶち抜いてやっぜぇ!!) 僕らはひたすらコースを疾走した。 カサコソカサ…ドンドン!! 爆音がサーキットを満たす(大量の書類の山が崩れる)。 拮抗したレースはすでに4周目。ジュゲムが空から降臨し『ファイナルラップ』を告げる。 前方には《G》の姿。距離は開かず縮まらずお互いノーミスの究極の一戦。 (くそ!何故縮まらない ) ファイナルラップ、ここで抜けなければ僕の負けだ。 僕達の爆音と書類の雪崩、歓声で会場は最高潮の盛り上がりをみせる。 《G》がコーナーを駆ける。ドリフトする。 《G》のタイヤは6つ。一つ一つが生きているかのような抜群の操作性を誇っていた。僕の4本タイヤでは、あのステアリングは実現できない! G「4本足のくせになかなかやるじゃないか。さぁ、その付け焼刃、いつまで持つかな?」 僕「言ってやがれ!この音速の貴公子(早漏)から逃げ切れるとでも思おでか!!」 音速から光速へ。僕らの会話は風に溶ける。それでも僕らにはお互い何を言い合っているのかが分かった。僕と《G》、そして風が一つになったのを感じた。 コーナーを曲がりきり最後の『魔のデビルウェーブ』。どれだけの走り屋がこのカーブの餌食になっただろう。 奇跡的に生還したものは口をそろえる。「悪魔が見えた」、と。 (奴に勝つには、あのデビルウェーブしかない!!)僕はアクセルをめいいっぱい踏み込んだ。 G「まさかバカ野郎!!!そんな速度で!!死ぬ気か」 僕「ふっ…地獄なら と っ く に 見て ん の さ ぁ ! 貴様の背中という地獄をなぁ!!」 G「無茶だ!やめろーー!!」 halnoが宙に舞う。 眼 下 の 悪 魔 が、笑 っ た。 い け る ! G「ひっかかったな!まだまだ俺に勝つのは早いわ!」 その刹那、《G》はなんか…本とか書類とかカッチカチに硬くなったカビ生えたコッペパンとかそんな感じの、すごく…すっごくカオスな場所にシャシャっと入って消えた。 「 消 え た 」 社員一同「消えた??」僕「うん、消えた。」社員一同「どこ行ったの」僕「いや、わからん。消えた。」社員一同「めっっちゃ最悪なんですけど!!」


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